数日〜数週間放置して黄色っぽく変色した油染みは、空気中の酸素と結合して「酸化脂質」へと化学変化を遂げています。こうなると単なる界面活性剤の力だけでは分解できません。ここで真価を発揮するのが、時間が経った油染みの落とし方として定番となった過炭酸ナトリウム、すなわちオキシクリーン漬け置きの効果と真相です。
オキシクリーンをはじめとする酸素系漂白剤は、湯に溶かすことで活性酸素を大量に放出し、酸化した油の分子結合を断ち切る強力な酸化漂白力を持ちます。しかし、ネット上で散見される「オキシクリーンを入れた水に浸けておくだけ」では十分な効果は得られません。洗浄効果を極限まで引き出すには、以下の物理的条件を厳守する必要があります。
湯の温度は必ず50℃前後をキープすること。洗面器に湯を張り、規定量のオキシクリーンをしっかり攪拌して完全に泡立てて溶かします。そこに衣類を投入し、漬け置き時間は30分〜最長2時間にとどめます。長時間の放置は繊維を脆化させ、脱色リスクを急上昇させるため厳禁です。酸化した油脂が過炭酸ナトリウムのアルカリ環境下で「鹸化(けんか)」され、水溶性の石けん成分へと変化することで、頑固な黄ばみ染みも見事に消失します。