患者側が最も疑問を抱きやすいのが、「診察を受けた病院の会計でそのまま薬を受け取る院内処方」と「処方箋を持ってわざわざ外の調剤薬局へ足を運ぶ院外処方」の費用の差です。現場の会計データを検証すると、患者が支払う自己負担額には明らかな開きが存在します。
結論から申し上げると、同一の薬を同じ日数分処方された場合、窓口で支払う合計金額は「院外処方」のほうが数百円から千円程度高くなります。これは、調剤薬局側で算定される「調剤基本料」「調剤管理料」「服薬管理指導料」などの専門技術料が、病院内で調剤される場合よりも手厚く設定されているためです。厚生労働省の社会医療診療行為別統計などを参照しても、この技術料の差が自己負担の差となって現れています。
なぜ高いコストを払ってまで院外処方が標準化されているのか。その背景には、医療事故を未然に防ぐ独立したセーフティネットの維持費という側面があります。院内薬局では同じ病院組織の上下関係から医師への疑義照会が躊躇されがちだった時代がありました。独立採算の院外薬局が厳格にチェックを入れることで、重大な医療過誤が防がれている側面を無視することはできません。
薬局の形態や受け取り方法によるコストと利便性の違いを、以下の詳細データで比較整理しました。
現在では、大病院の敷地内や目の前にある「門前薬局」から、自宅近辺で複数のクリニックの薬をまとめて受け持つ「面分業(面対応薬局)」へのシフトが国策として推進されています。特定病院の処方箋ばかり受けている大型門前薬局は基本料を削られ、地域住民の在宅医療や夜間対応を担う街の薬局が手厚く評価される構造へと改編されています。