愛知県豊田市を本拠地とする株式会社山信商店が運営する「スーパーやまのぶ」は、西三河エリアの食卓を支え続けるローカルスーパーマーケットです。一般的な量販店がプライベートブランドの低価格化やバイイングパワーによるコスト削減に走るなか、やまのぶは創業以来「食の安全とおいしさ」を軸に据えた独自のポジショニングを確立してきました。
地元住民への聞き取りや売場取材を通じて見えてきた、やまのぶが熱烈なファンを惹きつける理由は主に以下の3点に集約されます。
第1に、自然栽培・有機野菜への先駆的な取り組みです。やまのぶでは「奇跡のリンゴ」で知られる木村秋則氏の理念に共鳴し、無農薬・無肥料で育てられた自然栽培農産物や、JAS認定の有機野菜を専門に取り扱うコーナーを常設しています。契約農家から直接届く朝採れ野菜は、野菜本来の力強い甘みと香りを持ち、子育て世帯や健康志向のシニア層から「やまのぶの野菜以外は買えない」と言わしめるほどの信頼を得ています。
第2に、独自基準による食のセレクトブランド「ごちそうロンド」の存在です。化学調味料や保存料を可能な限り排除し、伝統製法の調味料や厳選された国産素材だけを採用したPB商品は、健康と美味しさを両立させた名品揃い。日々の食生活において「ラベル裏の原材料表示を見なくても安心してカゴに入れられる」という心理的安全性を提供しています。
第3に、地域密着ならではの鮮魚・精肉の目利きと対面販売の温かさです。三河湾をはじめとする近郊の漁港から直送される鮮魚や、地元愛知の銘柄肉が並び、売場スタッフが旬の調理法を気さくにアドバイスしてくれるなど、昭和の市場のような活気と専門性が保たれています。