当時の制作現場では、ショコラひとつひとつの造形から照明の反射率に至るまで、前例のないこだわりが注ぎ込まれていた。本物の高級ショコラティエが監修に入り、厨房シーンのリアリティを徹底追求。石原さとみ自身も、所属するホリプロのスタッフとともにサエコさんのキャラクター設計を細部まで詰め、台本に書かれていないバックボーンまで身体に染み込ませてカメラの前に立ったという。
撮影の合間にも共演者同士でディスカッションが重ねられ、松本潤のストイックな役作りと石原の直感的なアプローチが火花を散らしていた。甘美な世界観の裏側にあったのは、妥協を許さない表現者たちの真剣勝負。その緊張感があったからこそ、ただのスイーツドラマに終わらない鋭利な刃物のような輝きが宿ったのだ。