辞書を引いて「来てください」をそのまま英訳しようとすると、真っ先に「Come again」という単語の組み合わせが浮かぶかもしれない。しかし、現代の英語圏でこの表現を口にするときは細心の注意が必要だ。
文末のイントネーションを上げて「Come again?」と発音した場合、ネイティブスピーカーはこれを「え?今なんて言ったの?」という聞き返しの聞き苦しい催促として受け取る。相手の発言が聞こえなかったり、聞き捨てならない事態に直面した際の口語表現として定着しているからだ。また、語尾を下げて単に「Come again.」と言い切ったとしても、どこかぶっきらぼうで命令口調に近い響きが残る。
数多くの著書を持つ英会話教育のスペシャリスト、デビッド・セイン氏も「日本人が陥りやすい直訳の罠の代表例」としてこのフレーズを挙げる。好意を込めて言ったつもりが、相手には「もう一度言ってごらん」という不機嫌な問いかけに聞こえてしまうリスクがあるのだ。