伊豆テディベア・ミュージアムが単なるキャラクター施設と一線を画している理由は、その展示内容が持つ「歴史的アーカイブ」としての重厚さにあります。1階展示室に足を踏み入れると、1904年にドイツのシュタイフ社で制作された「テディガール」をはじめ、世界のオークションで歴史的記録を打ち立てたアンティークベアたちが静かに来館者を迎えます。かつて英国陸軍大佐エドワード・ブルックの手を経て戦火をくぐり抜けた個体の佇まいは、工芸品としての美しさと世紀を超えた物語を宿しており、大人の鑑賞に十分耐えうる迫力を放っています。
そして現在、施設全体の動員力を劇的に押し上げているのが、2階フロアで開催されている「伊豆テディベアミュージアム トトロ展」(となりのトトロのぬいぐるみ展)です。スタジオジブリの公式監修のもと、テディベア制作の伝統技法と温もりあるファブリックを用いて名シーンの数々が立体ジオラマとして再現されています。
特に来館者の熱い視線を集めているのが、実際に中へ入って座ることができる巨大なネコバスの写真撮影スポットです。三鷹の森ジブリ美術館のネコバスは小学生以下限定であるのに対し、伊豆のネコバスは大人も着席可能という極めて貴重な仕様となっています。毛足の長い柔らかなシートに身を沈め、車窓越しにポーズをとる体験は、幼少期にアニメーションへ憧れた世代にとって特別なカタルシスを提供しています。