エディ・ブロックとヴェノムという奇妙な共生関係にピリオドを打った『ヴェノム: ザ・ラストダンス』。ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントが展開するユニバースにおいて、このシリーズが残した爪痕はあまりにも大きい。単なるスーパーヒーロー映画の枠に収まらず、バディムービーとしての熱量とダークコメディの要素を融合させた立役者は、間違いなくトム・ハーディ本人だった。
彼は単に主演を務めるだけでなく、脚本の原案からポストプロダクションに至るまで情熱を注ぎ込んだ。奇怪な声を自ら当て、現場で即興的に身体を歪ませる姿は、製作陣をも唸らせたという。スタジオ側との厚い信頼関係を築き上げ、商業的な大成功と独自の作家性を両立させたこのトリロジーの完結は、彼のキャリアにおける大きな節目となった。