青物横丁まこと家の引力とは?濃厚家系の真髄と独自ルールを解剖

青物横丁まこと家の引力とは?濃厚家系の真髄と独自ルールを解剖

青物横丁まこと家の引力とは?濃厚家系の真髄と独自ルールを解剖についての最新情報をご紹介します。

まこと家のアイデンティティを語る上で欠かせないのが、家系ラーメンの歴史における「本牧家系譜」としての立ち位置です。創始者・吉村実氏が率いる吉村家から独立し、かつて横浜市中区本牧で多くの弟子を育て上げた本牧家。そのDNAを受け継ぎ、1996年に青物横丁で産声を上げたのがまこと家です。

現在主流となっている「直系店舗」の多くは、醤油ダレ(カエシ)のキレが前面に押し出された、スモーキーなチャーシューと濃口醤油が主役の構成です。しかし、まこと家のスープ設計はそれらとは明確に一線を画します。巨大な寸胴で大量の豚骨と鶏ガラを骨の髄まで強火で炊き出し、抽出された高濃度の動物系エキスに、黄金色に輝く上質な鶏油(チーユ)をたっぷりと浮かべる設計です。

ひとくち啜れば、カエシの尖りよりも先に、ねっとりと唇にまとわりつく豚骨の厚みとコクが押し寄せます。野性味あふれる豚骨臭を一切マスキングせず、素材本来の力強さをダイレクトに抽出したスープは、昨今増えている工場製スープ(資本系)では決して到達できない領域です。この野太いスープを受け止めるのは、家系御用達の最高峰「酒井製麺」。短めでやや平打ちの麺が、粘性のあるスープと鶏油を余すことなく口元へと運び上げます。

深夜2時、3時を回っても厨房の寸胴からはもうもうと湯気が立ち上り、店主や職人が巨大な木べらで骨を砕き続ける姿は圧巻です。「青物横丁の深夜にしか摂取できない栄養素がある」と常連たちが口を揃える理由は、この愚直なまでのスープへの向き合い方にあります。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。