オープンから現在に至るまで、店頭の列が途切れる気配はない。だが、この熱狂に身を投じるなら知っておくべき明確な急所がある。ピークタイムの18時から20時は連日長蛇の列となるが、狙い目は平日の14時から16時半のアイドルタイムだ。昼飲み需要が一段落し、夕方の混雑が始まる前のこの短いエアポケットこそ、肩肘張らずに名物の空気を堪能できる最高の時間帯となる。
席に着いたら、まずは名物の「バイス」を頼まない手はない。フローズン状に凍らせた焼酎「シャリキン」に、シソ風味の鮮やかなピンク色の割り材が注がれる。グラスの縁ギリギリまで注がれたその一杯は、喉を突き抜ける爽快感と危険な飲みやすさを併せ持つ。シャーベット状の氷が少しずつ溶け出すことで、最後の一滴まで濃厚なアルコール感を損なわずに味わえるのが独自の仕掛けだ。お一人様3杯までの厳格なルールが存在すること自体が、その魔力的な美味しさを雄弁に物語っている。
合わせるべき必食の皿も目白押しだ。粗挽き肉の圧倒的なジューシーさとサクサクの衣が弾ける名物のメンチカツ、八角の香りをふわりと利かせてじっくり煮込まれた肉豆腐、そして素朴ながら箸が止まらなくなるチャーシューエッグ。どれも一見すると定番の居酒屋メニューだが、一口頬張れば計算し尽くされた味の輪郭に驚かされる。甘み、塩気、スパイスのキレ。酒を進ませるための最適解が、一皿ごとに緻密に設計されているのだ。