結論から言えば、ビジネスシーンで「ご教授願います」を使うこと自体が文法的な誤りというわけではありません。しかし、使うシチュエーションを誤ると実質的なマナー違反と受け取られるというのが実情です。
「教授」という言葉は、「学術、技芸、専門的な知識などを教え授けること」を指します。大学の「教授」という役職名や、茶道・華道・武道などの「師範から手ほどきを受ける」場面を想起すると理解しやすいでしょう。つまり、「ご教授」は専門性が極めて高く、ある程度まとまった時間や体系的な指導を相手に乞う際に用いる極めて重みのある表現です。
そのため、社内での書類の提出先や会議の日時、製品の仕様書といった「知っていればその場ですぐに答えられる日常的事項」に対して「ご教授願います」を使うと、過剰に大げさな印象を与えてしまいます。相手に「そんな学問を教えるわけではないのだが」と苦笑されたり、敬語の形式だけに囚われて言葉の意味を理解していないと判断されたりするリスクがあるのです。