急増する社会的孤立の深層と健康リスク|孤独・孤立対策推進法の全貌

急増する社会的孤立の深層と健康リスク|孤独・孤立対策推進法の全貌

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社会的孤立の最も過酷な断面が、中高年のひきこもり当事者と高齢の親が社会から隔絶される社会的孤立と8050問題だ。行政の窓口に繋がったある50代男性の手記には、次のような生々しい告白が綴られている。

「20代半ばで就職に失敗してから30年間、実家の自室から一歩も出られなかった。近所の目が怖くてカーテンを閉め切り、唯一の話し相手は母親だけだった。『近所に知られたら恥ずかしい』という親の世間体もあり、外部に助けを求める選択肢は完全に消えていた。80代の母が倒れた日、部屋の電気もガスも止まり、自分は社会から完全に消去された幽霊だと悟った」

現場を取材する社会福祉士や民生委員の証言によると、こうした家庭の多くは「家族間における共依存関係」と「強すぎる自己責任の呪縛」に陥っている。親は「自分が産んだ子だから死ぬまで面倒を見る」と抱え込み、子は「社会に出られない自分は無価値だ」と心理的バウンダリー(境界線)を喪失して親に依存する。外部との接点を絶ち続けた結果、親が亡くなった後に遺体と数ヶ月間過ごしてしまうような悲劇が後を絶たない。

これに対し、近年のひきこもり支援策では「無理に就労させること」をゴールとせず、まずは本人が安心して過ごせる居場所づくりや、家族と本人双方に対する精神的・生活基盤の個別アプローチが重視されている。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。