Siriの危険フレーズの中で、単なる都市伝説にとどまらず法的な大騒動へと発展したのが「死体を隠したい」という問いかけです。
2011年にiPhone 4SとともにSiriが登場した直後、このフレーズを投げかけると、Siriは親切そうに「どのような場所がよろしいですか? 沼地、貯水池、金属鋳造所、ごみ処理場……」と候補地をリストアップするブラックジョークを返していました。映画の悪役のようなユーモアとして設計されたものでしたが、この仕様は思わぬ悲劇によって終わりを迎えます。
2012年、米国フロリダ州で起きた殺人事件(Pedro Bravo事件)の公判において、被告のスマートフォンの利用履歴から「死体を隠す場所が必要だ」とSiriに尋ねていた記録が証拠として法廷に提出されたのです。このセンセーショナルなニュースは全米を駆け巡り、「AppleのAIが犯罪を手助けしているのではないか」という激しい非難を浴びることになりました。
事態を重く見たAppleは即座に対処を行い、アップデートによって「以前ならお答えできましたが…」と皮肉混じりに断る返答へ変更。その後、倫理ガイドラインの改定に伴い、現在では「警察への通報をお手伝いしましょうか?」と返答し、緊急通報画面へのショートカットを提示する厳格なセーフティ機能へと置き換えられています。