「強豪に勝ったのに順位が1つしか上がらない」「アジア予選で大勝したのにポイントが微増にとどまる」というファンの疑問は、2018年8月から導入された現行の「SUM方式(イロレーティングをベースとした加減算方式)」に起因しています。現在のFIFAランキングは、過去数年間の平均値を算出する旧方式とは異なり、試合ごとにポイントがリアルタイムで増減する仕組みです。
計算式は以下の構造で成り立っています。
P = P_before + I × (W - We)
- P_before:試合前の獲得ポイント
- I(重要度係数):親善試合(非国際Aマッチ期間=5、期間内=10)、W杯予選(25)、大陸選手権本大会(35〜40)、W杯本大会(50〜60)
- W(試合結果):勝利(1.0)、PK戦勝利(0.75)、引き分け・PK戦敗北(0.5)、敗北(0.0)
- We(期待勝率):対戦国同士のポイント差から算出される勝敗予測値
この計算式の恐ろしさは、「格上との対戦は勝てば大量ポイント、負けても微減」であるのに対し、「格下との対戦は勝っても微増、引き分けや敗北でポイントが激減する」という点にあります。
例えば、世界ランキング100位以下の国と対戦した場合、日本側の期待勝率(We)は0.90(90%)前後に設定されます。ここで引き分け(W=0.5)に終わると、計算式の「W - We」がマイナス0.40となり、予選の重要度係数(I=25)を掛け合わせることで一気に10ポイント近くを失う計算になります。アジア最終予選において、日本代表は「勝って当然、引き分けすら許されない」という極限のプレッシャーの中でFIFAポイントを防衛しているのです。