なぜ本作のストーリーはこれほどまでに読者の心を惹きつけて止まないのか。その背景には、作者であるきづきあきら・サトウナンキの手腕がある。緻密に計算された伏線回収と、人間の浅はかさを突きつける心理描写は圧巻だ。
モラハラ夫たちは一目見たとき「自分こそが絶対的な支配者」だと信じて疑わない。だが、その傲慢さこそが最大の弱点となる。妻たちは夫の歪んだプライドを巧みに利用し、逃げ場のない罠へと誘い込んでいく。電子書籍・漫画業界においてサスペンスジャンルが活況を呈する中でも、本作の心理戦の深みは群を抜いている。