彼の卓越した表現力の原点は、やはり小劇場運動が吹き荒れた関西の演劇界にある。1991年に自ら結成した「劇団MOTHER」では、主宰として座長を務め、斬新でエンターテインメント性に富んだ舞台を次々と世に送り出した。舞台上で鍛え上げられた度胸と呼吸法は、現在のテレビや映画における繊細な演技の土台となっている。
当時、同世代として切磋琢磨していた渡辺いっけいら実力派俳優たちとの交流も、彼の役者魂を大いに刺激したという。演劇界で培った「空間を支配する感覚」は、カメラのレンズを通してもなお、衰えることなく強烈な磁力を発揮している。