クラシックなテディベアも同ブランドの象徴(「バシュフルブラニー」など)だが、世界中を中毒にさせている真骨頂は「食物・植物・日用品」の擬人化にある。半熟の黄身が微笑む茹で卵、絶妙なカーブを描くセロリ、あるいは小さなポットに入ったサボテン。一見すると突拍子もないモチーフが、なぜこれほどまでに人の心を捉えるのか。
答えは、デザインの絶妙な引き算にある。無駄をぎりぎりまで削ぎ落としたシルエットに、つぶらなプラスチックの目と控えめな刺繍の笑顔。主張しすぎないその表情は、見る者の感情を受け止める余白を残している。悲しい時には寄り添うように見え、嬉しい時には共に喜んでいるように見える。感情のレシーバーとしてのデザイン精度が極めて高いのだ。