2026年5月の基本合意発表以来、世界の自動車業界を揺るがせた三菱ふそうトラック・バスと日野自動車の経営統合。親会社であるダイムラートラックとトヨタ自動車を含めた4社協業の枠組みは、国内外の競争法(独占禁止法)審査や認証手続きへの厳格な対応を経て、新持株会社のもとで最終調整が進められています。
この歴史的な商用車業界再編の根底にあるのは、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアード、電動化)領域における天文学的な開発コストの分散です。現場のエンジニアや業界アナリストが指摘するように、商用車の脱炭素化にはバッテリーEV(BEV)と燃料電池車(FCEV)の双方へ莫大な先行投資が不可欠であり、単独企業での投資回収は極めて困難なフェーズに突入しています。
「統合によってどちらかのブランドが消滅するのではないか」という一部の懸念に対し、関係筋の証言では「FUSO」と「HINO」のブランドは維持され、販売店網や顧客サポート体制も独立して継続される方針が示されています。車台(プラットフォーム)やソフトウェア基盤の共通化でコストを抑えつつ、顧客との接点は守るという現実的なハイブリッド戦略が採られています。