『さよなら 大好きな人』は、歌詞の文面から「恋人との別れを歌った切ない失恋ソング」として解釈されるケースが目立ちます。しかし、制作背景を取材した関係資料や本人のインタビュー証言によると、この曲の誕生にはまったく異なる感動的な実話が存在します。
作詞・作曲を担当したこじまいづみがこの楽曲を書き上げたのは、彼女がわずか16歳の高校生だった頃でした。幼少期から深い愛情を注いでくれた最愛の祖父が他界した際、あまりに突然訪れた永遠の別れに対する悲痛な叫びと、これまで注いでくれた愛への純粋な感謝をピアノに向かって吐露したことが、本作の元ネタとなっています。
「何も言えずに 旅立つあなた」「また会えるよね」という言葉の裏には、もう二度と言葉を交わすことができない肉親への祈りが込められています。あえて相手の属性を限定せず、飾らない平易な言葉だけで構成された歌詞だからこそ、聴く人それぞれの「最も大切な人との別離の記憶」と共鳴し、時代を超えて涙を誘い続けるのです。