経済面における未婚者との格差は、とりわけ税制と相続で顕著に現れる。代表格が「配偶者控除」や「配偶者特別控除」だ。世帯主の所得から一定額を差し引くことで所得税や住民税を軽減する仕組みは、長年見直しの議論が絶えないものの、依然として世帯形成を優遇する柱として機能している。
さらに決定的なのが、万が一の際の相続権だ。民法上、配偶者は常に「法定相続人」となり、遺言書がなくとも遺産の半分(子が同居する場合)を無条件で取得する権利を持つ。未婚のパートナーであれば、遺言がなければ1円も相続できず、遺贈を受けたとしても多額の相続税割増がのしかかる。既婚という身分は、巨大な財産保全の盾でもあるのだ。