実験の成否を分ける決定的な要素、それは「コーラの液温」です。実際に屋外の平地で同条件(1.5リットルペットボトル、メントス同一フレーバーを同時に5粒投入)の比較検証を行うと、視覚的にも明らかな大差となって現れます。
冷蔵庫でしっかり冷やした5℃前後のコーラでは、メントスを落としても噴出速度が緩慢で、ボトルの口からモコモコと泡が溢れ出し、噴射の最高到達点は約0.8〜1.2メートル程度にとどまります。動画などでよく見かける「ドカンと吹き上がる迫力」には到底及びません。
一方、室温に数時間置いてなじませた20〜25℃の常温コーラを使用すると、投入直後に激しい轟音とともに細く鋭いジェット気流が発生し、噴射高度は約2.5〜3.5メートルに達します。条件を整えた実験場では4メートル近くまで吹き上がることも珍しくありません。つまり、メントスコーラの威力を最大限に引き出す正解は、間違いなく「常温」にあります。
「炭酸飲料はキンキンに冷えているほうが炭酸を強く感じるから、冷たいほうが激しく吹き飛ぶのではないか」という直感的なイメージを持つ人は少なくありません。しかし、物理現象としての気体の振る舞いは、人間の舌が感じる清涼感とは真逆の挙動を示します。