お薬手帳を忘れると薬代は高くなる?差額の理由と返金の真相を徹底解剖

お薬手帳を忘れると薬代は高くなる?差額の理由と返金の真相を徹底解剖

お薬手帳を忘れると薬代は高くなる?差額の理由と返金の真相を徹底解剖についての疑問解決ガイドをお届けします。

ネット上のQ&AサイトやSNSでたびたび話題にのぼるのが、「忘れたお薬手帳を後から薬局に持参すれば、差額を返金してもらえるのか?」という疑問です。病院の受診時に保険証を忘れた場合、当日は全額自費で立て替え払いを行い、当月中に保険証と領収書を持参すれば差額が還付されるため、手帳も同じように返金されると誤解している人が少なくありません。

原則として、お薬手帳を後日持参しても差額の返金は受けられません。

保険証忘れの返金は「公的医療保険の資格確認」という法的権利に関わる手続きであるのに対し、服薬管理指導料は「調剤を行ったその瞬間に、薬剤師が手帳を確認して適切な指導を実施したかどうか」という医療行為の事実に対して算定される技術料だからです。調剤が終わって薬を手渡した後に手帳を持ってこられても、「調剤時の相互作用確認に手帳が役立った」という事実は後から作ることができません。そのため、国の請求ルール上、過去の会計を遡って訂正することは認められていないのです。

都内の中堅調剤薬局に勤務する管理薬剤師は、取材に対して現場の苦悩を次のように語っています。

「処方箋のみ受付で調剤を終えた数日後に、『手帳を持ってきたから40円返してほしい』と窓口で強く主張される患者様がいらっしゃいます。お気持ちは分かりますが、レセプト(診療報酬明細書)の請求基準上、後からの返金処理は不正請求になりかねないため、お断りせざるを得ません。代わりに調剤記録のシールをお渡しして『ご自宅で手帳に貼っておいてくださいね』とお願いするのが現場の精一杯の対応です」

薬局側が頑なに返金を拒んでいるのではなく、厚生労働省の定める厳密な算定要件に縛られているという経緯を理解しておく必要があります。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。