水谷豊のキャリアは、日本のテレビドラマ史そのものと言っても過言ではありません。10代で子役としてデビュー後、1974年の伝説的ドラマ『傷だらけの天使』で萩原健一さんの弟分・乾亨役を熱演し、社会現象を巻き起こしました。さらに『熱中時代』では純朴な小学校教師・北野広大役で国民的人気を獲得し、歌手としても「カリフォルニア・コネクション」が大ヒットを記録するなど、多彩な才能を開花させました。
近年では俳優の枠を飛び越え、映画監督としての手腕も高く評価されています。初監督作『TAP THE LAST SHOW』に始まり、『轢き逃げ 最高の最悪な日』、クラシック音楽の世界を描いた『太陽とボレロ』など、人間の機微を丹念に描く独自の演出スタイルを確立しました。若い頃から培った現場感覚と映像美へのこだわりは、円熟期を迎えた今もなお進化を続けています。