来集軒を語る上で絶対に外せないのが、丼を埋め尽くす肉の迫力と滋味深いスープが融合した「チャーシューメン」の存在です。浅草店・幸手店ともに、麺とチャーシューに対するこだわりは並大抵ではありません。
浅草の来集軒で供されるチャーシューメンは、現代の低温調理や過度な脂身重視のトレンドとは対極を行く、クラシカルな煮豚スタイルの頂点とも言える仕上がりです。適度に脂の落ちた豚肩ロースやモモ肉を秘伝の醤油ダレでじっくりと煮込み、噛みしめるほどに肉本来の野性味あふれる旨味と、香ばしい醤油の塩気が染み出します。スープに浸すことで肉の繊維がほどよく緩み、淡麗な清湯(チンタン)スープに肉のコクが溶け出していく設計は実に見事です。
そのチャーシューを受け止めるのが、前身である製麺所の歴史を受け継ぐ「平打ちの手揉み縮れ麺」です。つるりとした滑らかな喉越しと、手揉みによって生まれた不規則なウェーブが、鶏ガラ・豚骨・香味野菜から丁寧に抽出された優しいスープを余すところなく持ち上げます。「優しく滋味深い、これぞまさに日本のラーメン」と評される所以は、この麺とスープの黄金比にあります。
一方、幸手店のメニュー展開はまさに町中華の醍醐味そのものです。昭和44年の創業以来、麺工房で打ち上げられる自家製麺は、モッチリとした強いコシと小麦の豊かな香りが際立ちます。たっぷりの炒め野菜から溶け出した甘みがスープを満たす「手作りタンメン」や、スパイスの芳香と出汁の旨味が絡み合う「カレーラーメン」など、一杯の丼の中に職人の技が凝縮されています。さらに、専用アカウント(@updown.munchies)を持つほどこだわりの詰まった手作り餃子は、薄皮のパリッとした焼き目と溢れ出る肉汁で、ラーメンの最高の相棒として愛されています。