松本人志さんが生まれ育ったのは、兵庫県尼崎市潮江(しおえ)という地域です。尼崎市は兵庫県の南東端に位置し、大阪湾に面した工業都市として発展してきた歴史を持ちます。大阪市西淀川区や淀川区と隣接しており、関西圏特有の活気と人情味が色濃く残る街です。
幼少期に松本一家が暮らしていたのは、JR尼崎駅の北側に広がる下町エリアでした。当時の実家は風呂なしの木造アパートや古い長屋で、決して裕福とは言えない生活環境でした。お風呂は近所の銭湯へ通い、狭い部屋の中で家族が身を寄せ合って暮らしていた記憶は、後に数々のトークやエッセイで鮮烈に語られています。
かつての潮江地区は中小の町工場や住宅が密集する典型的な労働者の街でしたが、平成の大規模な都市再開発によって景観は一変しました。現在のJR尼崎駅北口には大型商業施設「あまがさきキューズモール」や近代的な高層マンションが立ち並び、松本さんが少年時代を過ごした当時の面影を見つけることは難しくなっています。しかし、その劇的な街の移り変わりこそが、松本さんが体現してきた「昭和から平成・令和を駆け抜けたお笑いサクセスストーリー」のダイナミズムを物語っています。