言葉の響きがスマートであるため、「コアを重視する」という方針は常に正しく聞こえがちです。しかし、実際のビジネス現場やオンラインコミュニティの観察からは、コアへの過剰な傾斜が招く歪みも浮き彫りになっています。
取材現場やSNS上のコミュニティ分析から見えてきたリアルな課題として、特に顕著なのが「コア層への過度な依存による市場のタコツボ化」です。
スマートフォンゲームや老舗アパレルブランドの運営現場からは、「熱心なコアユーザーの声だけを聞いてアップデートを繰り返した結果、操作や世界観が難解になりすぎて新規ユーザーが寄り付かなくなった」「SNS上で古参のコアファンが新規層の気軽な投稿にダメ出しを行い、コミュニティ全体が閉鎖的になって衰退した」という深刻な証言が後を絶ちません。
また、企業の経営現場でも「選択と集中」という名のもとにコア事業へすべての予算を注ぎ込んだ結果、市場環境の急変時に撤退やピボットができず、致命的な打撃を受けた事例が散見されます。「コア」は組織やコミュニティの屋台骨であると同時に、固執しすぎると変化への適応力を奪う両刃の剣となる側面を見逃してはなりません。