国の重要有形民俗文化財に指定されている「屋台(だし)」。金箔や精巧な彫刻、京都の西陣織を思わせる幕類で飾られたこれらの芸術品は、維持管理に莫大な資金を必要とする。昨今の円安に伴う原材料費の高騰、そして何よりも伝統技術を受け継ぐ職人の減少が、保存会に重くのしかかる。
修復プロジェクトの一つには、数千万円から億単位の予算が必要となるケースもある。これまでは自治体の補助金と地元住民の寄付に頼ってきたが、人口減少が進む地方都市において、そのモデルは限界に達しつつある。伝統の美を維持するための財政的基盤をどう再構築するかが、いま最も緊迫した課題だ。