多くのファンを唸らせたのが、タイトルである『君と羊と青』に仕掛けられた文字のトリックです。「君」の部首である「羊(ひつじ)」と「青(あお)」を組み合わせると、「群青(ぐんじょう)」という熟語が浮かび上がります。「群」の偏は「君」、旁は「羊」で構成されているため、まさに漢字を分解してタイトルへと昇華させた野田洋次郎らしい遊び心あふれる命名です。
群青色は、鮮やかで深い青色を指す言葉であり、文学や音楽の世界では「青春の青」「果てしない空」の象徴として扱われることが少なくありません。タイトルそのものに青春の色を忍ばせつつ、平仮名表記にすれば「きみとひつじとあお」というどこかリズミカルで軽快な響きを持たせる設計は、楽曲の持つポップネスと文学性を見事に両立させています。