サンドウィッチマンの二人が発する「男塾名物」という言葉が爆笑を生み出す最大の理由は、極限の荒唐無稽さと、それを一切笑わずに真顔で押し切るハッタリの美学にあります。『アメトーーク!』でかつて放送された「魁!!男塾芸人」において、ケンドーコバヤシ氏らと共にスタジオを沸かせたサンドウィッチマンの二人は、作品のディテールを誰よりも深く理解した上で、その常軌を逸した世界観を現代のお笑いへと落とし込みました。
番組内で特に語り草となっているのが、劇中で繰り広げられる過酷極まりない修行や決闘の数々です。沸騰した油の中に笹舟を浮かべ、その上に乗せた蝋燭の火を消さずに耐え忍ぶ「油風呂」や、教官の号令のもとで前方の障害物を一切迂回せずに直進し続ける「直進行軍」など、命の危険を伴う理不尽なルールが塾生たちに課されます。伊達みきおは当時のエピソードを振り返る際、「普通に考えたら死ぬ」「完全にコンプライアンス違反のオンパレード」と的確に言語化しつつ、そこに宿る男たちの暑苦しい美意識を愛おしそうに語り、スタジオの共感を誘いました。
富澤たけしがボケとして突拍子もない無茶振りを持ち出し、それに対して伊達が「お前それ、男塾名物じゃねえか!」「誰が油風呂に入れっつった!」と間髪入れずに返すテンポの良さは、ファンにとって中毒性抜群のコントラストを生み出しています。作品を知らない若い世代であっても、その言葉の響きが持つ圧倒的な強烈さと伊達のドスの効いたツッコミによって、理屈抜きで笑えるパッケージへと昇華されている点が秀逸です。