ネット上で長年繰り返されている誤解のひとつに、「Xにポストした内容は公のものだから、誰がどうまとめても法的に自由である」という認識があります。しかし、法的な実態はそれほど単純ではありません。
著作権法における「引用」の要件(公正な慣行に合致し、報道・批評・研究等の正当な範囲内で行われること、主従関係が明確であること)を満たさないまとめは、形式的にAPIを介していたとしても権利侵害を問われるリスクを孕んでいます。過去の司法判断においても、ツイートをまとめた記事において、元の発言者の社会的評価を低下させるような見出しや編集を行ったケースでは、名誉毀損やプライバシー侵害が認められた判例が存在します。
2026年現在の法整備状況を見渡すと、改正された情報流通プラットフォーム対処法等の影響により、プロバイダ側の権利侵害対応義務はかつてないほど厳格化しています。プラットフォーム側も「棘まとめ削除依頼」に対する審査スピードを加速させており、正当な権利者からの申請があれば、数時間以内に当該ポストの非表示化やまとめ全体の閲覧停止措置が取られる体制が定着しています。安易な気持ちで他者の発言を恣意的にまとめ、私刑的な晒し上げを行う行為は、民事・刑事双方で極めて高い法的リスクを伴う時代へと突入しています。