ロックハート城の歴史を語る上で欠かせないのが、名優・故・津川雅彦氏の存在です。1980年代後半、津川氏は私財を投じて北海道に「夢のテーマパーク」を建設する計画を構想。そのシンボルとして選ばれたのが、エディンバラの南西約50キロメートルに位置していたロックハート家の邸宅「ロックハート城(1829年築)」でした。当時のイギリス首相マーガレット・サッチャー氏の許可を得て買い取られた古城は、一度完全に解体され、石材や建材となって海を渡ることになります。
しかし、ソ連崩壊の混乱期にシベリア鉄道を経由して運ばれた石材は一時行方不明になるなど、移築プロジェクトは波乱の連続でした。さらにバブル崩壊のあおりを受け、北海道でのパーク開設計画そのものが頓挫。途方に暮れていた石材を引き受けたのが、群馬県で石材・大理石事業を展開していた株式会社サンポウ(平井良明会長)でした。
延べ15,000人もの職人が携わり、約30個のコンテナに詰められた膨大な石のパズルを寸分違わず組み上げるという難工事の末、1993年4月6日、群馬県高山村にロックハート城が復元オープンを果たしました。津川氏が長年収集した膨大な数の「サンタクロースミュージアム」や世界の銘品コレクションが城内に常設されているのは、この情熱的な歴史的パートナーシップの証です。