約5年の服役を終え、出所した彼が向かったのは、再びの勝負の世界だった。全日本柔道連盟からの処分により、国内で柔道を教える道や公式戦へ復帰する道は断たれていた。そこで選んだ新たな挑戦が、ブラジリアン柔術だった。
畳の上に帰ってきた元金メダリストの動きは鋭かった。全日本マスターズ柔術選手権をはじめとする大会に参戦すると、並み居る強豪を圧倒。圧倒的な体幹の強さと寝技の技術で勝利を重ね、道場関係者や格闘技ファンに強い衝撃を与えた。柔道からブラジリアン柔術への転身は、彼にとって自らの存在理由を再確認する儀式でもあった。