今井美樹と布袋寅泰の出会いは、もともと布袋の前妻である山下久美子を介したものでした。1980年代後半、すでに「学園祭の歌姫」「総立ちの久美子」としてロック界のトップアイコンだった山下久美子と、モデル出身の清純派歌手として脚光を浴びていた今井美樹は、音楽番組での共演を機に意気投合。山下の自宅へ今井が頻繁に遊びに行き、プライベートの恋愛相談を持ちかけるほどの親友関係を築いていました。
当時、布袋と山下はおしどり夫婦として知られ、音楽的にも公私にわたる最強のパートナーシップを誇っていました。しかし、1990年代半ば、今井美樹が自身の楽曲制作におけるプロデュースを布袋寅泰に依頼したことで、三者のバランスは急速に崩れ始めます。1994年の楽曲『Miss You』のレコーディングを皮切りに、スタジオ作業やツアーサポートで濃密な時間を共有するようになった二人は、音楽的な共鳴を超えて惹かれ合っていきました。
当時の関係者や音楽スタッフの証言によると、レコーディング現場での二人は誰が見ても特別な空気を纏っており、布袋の天才的なギターワークとプロデュースワークが、今井のヴォーカリストとしての魅力を極限まで引き出していったとされています。しかしそれは同時に、山下久美子にとっては家庭と信頼する友人を同時に失っていく過酷なプロセスの始まりでもありました。