キャラクターイラストにおいて、風の存在をもっとも雄弁に語るのが「髪」と「衣服」の動きです。ここを自然に描写できるかどうかが、イラスト全体の出来栄えを大きく左右します。髪がなびくイラストのコツとして押さえておきたいのは、以下の3つのポイントです。
1つ目は「毛束のブロック分け」です。髪の毛を1本単位で捉えるのではなく、「大・中・小」の塊にグループ分けして捉えます。全体の大きな流れ(大)を作り、そこから枝分かれする毛束(中)、最後に空気感を出す遊び毛(小)を散らすことで、板状にならず立体的な広がりが生まれます。
2つ目は「根元の固定と先端の遅れ」です。髪の生え際や結び目は頭部に固定されているため、風下に向かって急に折れ曲がるのではなく、根元から弧を描いてしなるように広がります。また、毛先に向かうほど空気抵抗を受けて波打つ「S字カーブ」を意識すると、柔らかな質感が表現できます。
衣服に関しても同様に、縫い目やボタンといった固定点から風下へ向かって引っ張られるシワ(テンションライン)を入れます。薄い布地であれば細かく波打ち、厚手のコートであれば大きくゆったりとたわむなど、素材の重量感に応じた変形の差をつけることで、リアルな説得力が宿ります。