スイスフランショックの真相と教訓|数分で破滅したFxの悲劇

スイスフランショックの真相と教訓|数分で破滅したFxの悲劇

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この大混乱の陰で、SNSを中心に「一晩で数十億円の利益を手に入れたスイスフランショックで儲けた人が存在する」という武勇伝が語り草になっています。確かに、暴落の直前にユーロスイスフランのショート(売り)や、スイスフラン円のロング(買い)を仕込んでいた一部の投機筋は、計算上天文学的なキャピタルゲインを手にしました。

しかし、ネット上の成功談には重大な盲点が存在します。第一に、巨額の利益が計上された画面のスクリーンショットが存在していても、「その利益を実際に出金できたかどうか」は全く別の問題だったという事実です。利用していた海外ブローカーそのものが破産して資金が凍結されたり、「価格配信エラーおよび市場の流動性停止に伴う無効レート」と判断されて約定自体を取り消されたりした投資家が少なくありませんでした。

第二の誤解は、「スイスフランは永続的に安全な逃避通貨である」という思い込みです。日本でも長年、有事の円買いと並んで「有事のスイスフラン買い」という定説が信じられてきました。しかしスイス中銀の行動が証明したのは、中央銀行は自国の経済防衛のためであれば、市場の秩序や海外投資家の信認を即座に切り捨てるという身も蓋もない現実でした。

中央銀行による人為的な価格維持(ペッグ制や防衛ライン)は、安全の証拠ではなく、むしろ「市場の圧力がマグマのように蓄積されている時限爆弾」に過ぎなかったのです。

松本 悠斗
著者

松本 悠斗

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。