東雲官舎の破格家賃と退去問題の真相|超高層宿舎の現在を徹底検証

東雲官舎の破格家賃と退去問題の真相|超高層宿舎の現在を徹底検証

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江東区東雲合同宿舎として計画が持ち上がった当初から、このプロジェクトは強い逆風に晒されていました。敷地面積約1万7,000平方メートル、延床面積約9万平方メートル、総戸数約900戸という巨大なスケールは、国家公務員向けの合同宿舎としては異例の威容を誇っていたためです。

とりわけ激震が走ったのが、2009年に発足した民主党政権による「事業仕分け」でした。行政刷新会議の仕分け現場において、国家公務員宿舎の新設・改修事業は「無駄遣いの象徴」として徹底的に槍玉に挙げられます。当時、財務省をはじめとする官僚側は「老朽化した分散宿舎の集約による効率化」「首都直下地震などの緊急事態に備えた危機管理要員の確保」を大義名分として掲げました。しかし、民間企業のサラリーマンが重い住宅ローンや高額な家賃負担に喘ぐなか、江東区東雲という都心直結のウォーターフロント一等地に「東雲タワーマンション官舎」を建設する妥当性について、国民の納得を得ることは困難を極めました。

事業仕分けの結果、一部の公務員宿舎計画は凍結や中止に追い込まれたものの、東雲住宅はすでに本体工事が相当程度進捗していたことや、工事契約解除に伴う巨額の違約金発生を理由に建設が続行されました。この「仕分けの網の目をすり抜けた」という既成事実が、その後に続く東雲公務員宿舎への根強い批判の原点となっています。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。