こうしたメディア環境の激変にあっても、伝統的なマスメディアによる地道な追跡取材の価値は揺らいでいない。NHKスペシャル『未解決事件』シリーズが実証してきたように、膨大な資料の再検証と地道な関係者へのアプローチを積み重ねる調査報道こそが、埋もれた真実を白日の下に晒す唯一の手段である。
単なるスキャンダリズムや感情論に流されることなく、警察の初動ミスや社会制度の不備に鋭く切り込むジャーナリズムの姿勢が今まさに求められている。母親が消えた背景に何があったのか。事実を丹念に積み上げ、権力や風化に抗い続けることこそが、報道機関に課せられた重い責務である。