いま国際的な最高峰の映画祭やハリウッド関係者から最も熱い視線を浴びているのが、ユーリー・ボリソフだ。カンヌ国際映画祭最高賞パルムドールを受賞した映画『ANORA アノーラ』での彼の演技は、世界中の批評家を唸らせた。セリフに頼らず、眼差しの揺らぎや佇まいだけでキャラクターの孤独と優しさを表現する圧倒的な表現力は、まさに圧巻の一言に尽きる。
かつてないスピードでグローバルな脚光を浴びる彼だが、ハリウッドの華やかな喧騒に浮足立つことはない。作品を選ぶ眼差しは極めて厳格であり、常に人間性の神髄に迫るストーリーを求め続けている。世界のインディペンデント映画界にとっても、彼はもはや欠かせないアイコン的存在となりつつある。