結婚間近とまで目されながら、最終的に二人が選んだのは別々の道だった。当時の報道や関係者の証言を振り返ると、そこにはお互いに対する深いリスペクトがありながらも、どうしても埋められない「生き方の基本リズム」のズレが存在したことが浮き彫りになる。
前田氏は24時間すべてをビジネスと思考に捧げるような超多忙な起業家であり、自己の時間を極限まで圧縮して挑戦を続けるスタイルを貫いていた。一方で、役作りに魂を削り、プライベートでは深い愛と丁寧なコミュニケーションを何よりも重んじる石原氏。価値観の濃密さを求める彼女の感性と、事業のスケールと社会的使命に没頭する彼のエネルギーは、互いを強く惹きつけ合うと同時に、日常の細部で少しずつ摩擦を生じさせていったのではないだろうか。互いに妥協を許さないプロフェッショナルであったからこそ、中途半端な関係を続けることを良しとせず、潔い決別を選んだとも言える。