下呂の湯を語る上で欠かせないのが、その卓越した泉質である。かつて江戸時代の儒学者・林羅山が有馬、草津と並び「日本三名泉」として全国に称えた歴史は伊達ではない。アルカリ性単純温泉のお湯は、肌に触れた瞬間にまるでシルクのような滑らかさを感じさせる。
睦館の大浴場に注がれるお湯は、絶え間なく湧き出る源泉かけ流しだ。湯船に身を沈めると、体の芯から凝りが解きほぐされていく感覚に包まれる。風呂上がりの肌のしっとりとした感触は「美人の湯」の異名に恥じない。何度も湯船に足を運びたくなる中毒的な心地よさがそこにはある。