物語の全編を支配していた「ともだち」という仮面の怪人。その正体は、作中で初代と2代目の2名が存在していたという重層的な構造を持っています。
1997年の物語開始から2000年の「血の大みそか」、そして「ともだち暦3年」に至る大半の惨劇を首謀したのは、ケンヂの同級生だったフクベエ(服部哲也)です。フクベエは小学生時代から周囲の関心を集めることに異様な執着を見せ、スプーン曲げのトリックや首吊り坂の幽霊屋敷事件などを演出しました。しかし、フクベエ自身は理科室の対決において山根に射殺され、一度その生涯を閉じます。
その直後に「奇跡の復活」を遂げ、世界大統領に君臨して人類絶滅のウイルス散布を画策した2代目こそが、物語の終盤で浮上するカツマタ君(勝俣)でした。
作中における伏線回収の足跡は極めて緻密です。「理科の実験が大好きだった」「フクベエの死後、理科室の解剖実験の夜を異常に恐れていた」「ケンヂが駄菓子屋ジジババで宇宙特捜隊のバッジを万引きした際、無実の罪を着せられて謝罪させられた」といった断片的なエピソードが、すべてカツマタ君という存在へと収束していきます。彼は万引き犯の濡れ衣を着せられたことでクラス内から存在を消され、「幽霊」「すでに死んだ人間」として扱われ続けた孤独な少年でした。顔のない少年が、世界そのものを終わらせる仮面の支配者へと変貌を遂げたのです。