1990年代半ば、日本の芸能界とワイドショーを最も揺るがしたのが、梅宮アンナとの熱愛と破局理由をめぐる一大騒動でした。1994年に交際が発覚して以来、二人はオープンな交際を続け、ペアヌード写真集の出版や過激なテレビ共演など、プライベートをエンターテインメントとして切り売りする劇場型の恋愛を展開しました。
しかし、この恋愛劇は単なるロマンスでは終わりませんでした。背景に横たわっていたのは、羽賀が抱えていた推定数億円にのぼる巨額の借金問題です。高級外車や不動産投資、華美な生活によって膨らんだ負債の返済をめぐり、アンナの父である名優・梅宮辰夫氏が猛反発。辰夫氏は連日のワイドショーの直撃取材に対し、「あいつは稀代のワルだ」「娘を利用しているだけだ」と怒りを露わにし、羽賀を痛烈に批判しました。
家族社会学の観点から見れば、この騒動は「愛によって問題を抱えたパートナーを救済しようとする女性」と、「経済的破綻から娘を守ろうとする父親」、そして「自己愛と経済的窮地の間で立ち回る男」という、古典的かつ極めて危険な心理劇でした。アンナ自身も後に手記などで「当時は彼を救えるのは自分しかいないと思い込んでいた」と振り返っていますが、度重なる金銭トラブルや女性問題への不信感が決定打となり、約5年におよぶ狂乱の交際は1999年に終止符を打つこととなりました。