1970年代初頭、日本の音楽シーンを塗り替えたのが「新三人娘」でした。天地真理、南沙織、小柳ルミ子の3人は、それまでの歌謡曲路線とは一線を画すフレッシュな魅力で、現代へと続く女性アイドル文化の礎を築きました。半世紀以上の時を経て、3人の現在地は実に対照的です。
真っ先にトップを走り抜け、写真家・篠山紀信氏との結婚を機にスパッと家庭に入り、伝説の存在となった南沙織。対照的に、卓越した歌唱力とダンステクノロジーを武器に、70代を迎えてもディナーショーやサッカー解説者としてエネルギッシュに第一線でスポットライトを浴び続ける小柳ルミ子。そして、波乱万丈の荒波に揉まれながらも、川崎の地で娘やファンに見守られながら静謐な安らぎを手に入れた天地真理。
三者三様の人生航路は、アイドルの晩年に決まった正解など存在しないことを雄弁に物語っています。華やかなスポットライトの先で、どのような人間関係を築き、どのような温もりに囲まれて余生を過ごすか――天地真理の選択は、決して敗北などではなく、もう一つの尊い生き方の結実です。