ペリリュー楽園のゲルニカが描く戦争の真実と結末|生存の理由とアニメ最新動向

ペリリュー楽園のゲルニカが描く戦争の真実と結末|生存の理由とアニメ最新動向

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本作の底流を支えているのは、太平洋戦争研究会の作家・ジャーナリストである平塚柾緒氏による半世紀近い取材実績と厖大な実地データです。ペリリュー島の戦いは、1944年9月15日に米軍が上陸作戦を開始したことで幕を開けました。米軍第1海兵師団のルパートス師団長は「3日、長くて4日で島を確保できる」と豪語しましたが、その予測は完全に崩れ去ることになります。

日本軍守備隊を率いた中川州男大佐(歩兵第2連隊長)は、それまでの日本軍に見られた無謀なバンザイ突撃(玉砕攻撃)を厳格に禁じました。島内に張り巡らされた500箇所以上もの強固な洞窟陣地を活用した徹底的な「持久戦」を展開し、米軍を泥沼の消耗戦へと引きずり込んだのです。結果として戦闘は73日間におよび、日本軍は1万人余りが戦死、米軍も死傷者1万人を超える壊滅的被害を被りました。

主人公・田丸一等兵や吉敷、小杉伍長といった登場人物には、平塚氏が長年取材を重ねてきた実在の帰還兵たちの手記や肉声が克明に投影されています。本作は特定の個人をそのままなぞる伝記ではなく、極限状態を生き延びた元日本兵たちの証言や、島に取り残された兵士たちの苦悩を丹念に再構築した「リアリズムの結晶」といえます。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。