なぜキャストは、出勤前のプライベートな時間を削ってまで同伴に精を出すのか。そこには水商売のシビアな経済システムが存在します。
キャバクラ同伴バック相場と給与への影響
客が支払う2,000円〜5,000円の同伴料のうち、店舗からキャストへ還元される報酬を「同伴バック」と呼びます。 一般的なキャバクラにおける同伴バックの相場は、1回あたり1,000円〜3,000円程度です。あるいは「客が使った小計売上の10%〜20%をバック」という売上スライド制を採用している店舗もあります。 「1回あたり数千円程度なら、拘束時間の割に合わないのでは」と感じる読者もいるかもしれません。しかし、同伴の真の価値はバックの小遣い稼ぎではなく、「時給査定への影響」と「ランキング維持」にあります。多くの店舗では月間の同伴回数によって翌月のベース時給が数百円〜数千円単位で変動するため、トップキャストほど必死に同伴を組みます。
高級クラブの同伴ノルマと同伴ペナルティの真相
これが銀座や北新地、六本木の「高級クラブ」になると、様相は一変して苛烈を極めます。 高級クラブの「係(係ト)」や「ホステス」には、月間4回〜8回といった明確な「同伴ノルマ」が課されるのが通例です。ノルマを達成できなかった場合、1回未達ごとに1万円〜3万円のペナルティ(罰金)が給与から天引きされたり、日給が強制的に減額されたりします。 華やかに見える高級クラブのホステスが、月末になると顧客へ必死に営業LINEを送るのは、このペナルティを回避し自らの地位を死守するための切実な防衛策なのです。
ホストクラブ同伴システムの特殊性
なお、ホストクラブにおける同伴システムはキャバクラとはやや構造が異なります。 ホストクラブでは「初回荒らし」を防ぐため、新規客との同伴は原則不可であり、すでに本指名として関係性が確立している「担当」としか同伴できません。また、同伴入店することで「ラスソン(その日一番売上を上げたホストが歌う権利)」争いや売上順位のポイントに強力な倍率がかかるなど、姫(女性客)側が担当ホストを勝たせるための戦略的ツールとして運用されています。