ケンちゃんラーメンを語るうえで最大の謎とされ、現在もネット上で都市伝説のように語り継がれているのが「ケンちゃんラーメン 新発売 理由」です。1988年の発売から1996年頃までの約8年間にわたり、パッケージには堂々と「新発売」の文字が刻まれ続けました。
なぜメーカーは「新発売」の表記を取り下げなかったのか。当時の関係者の証言や業界動向を精査すると、そこには2つの決定的な論理が存在していました。
第一の理由は、「頻繁なマイナーチェンジによる実質的な新商品化」です。サンヨー食品は、子どもの飽きを防ぐために、スープの配合微調整、具材(ナルトやタマゴなど)の変更、さらには後述するおまけシールやスピードくじのプレゼント内容を数ヶ月から半年スパンで細かくリニューアルし続けていました。つまり、景品表示法上の観点からも「仕様変更を伴うリニューアル商品=新発売」という体裁を成立させていたのです。
第二の理由は、「志村けんさんのキャラクター性を生かした自虐的なギミック」です。何年も経過しているのに「新発売!」と言い続けること自体が、志村さんのコントのような「ボケ」として機能していました。後期のCMでは、自ら「まだ新発売!」「いつまでも新発売!」とメタ的にツッコミを入れる演出すら組み込まれており、長寿ブランド特有のマンネリを逆手に取った高度なアイキャッチ戦略だったといえます。