東京コミックショウの現在と真相|伝説の蛇使い芸と夫婦が遺した軌跡

東京コミックショウの現在と真相|伝説の蛇使い芸と夫婦が遺した軌跡

東京コミックショウの現在と真相|伝説の蛇使い芸と夫婦が遺した軌跡の全体像を詳しく解説してご紹介します。

インターネット上の散発的な情報の中には、「派手な衣装とパペットを使っただけの一発屋的な見世物芸」と矮小化して捉える声も一部に見受けられる。しかし、それは芸の構造に対する重大な誤認だ。

第一に、ショパン猪狩氏が繰り出す色の心理誘導がある。舞台上には3つの壺が並び、最初に呼ばれるのは決まっておとなしい「ホワイトスネーク」だ。次に少し気まぐれな「グリーンスネーク」を呼び、観客の期待値を極限まで引き上げたところで、真打ちの暴れん坊「レッドスネーク」を登場させる。この「序・破・急」のテンション設計は、古典落語の構成力に匹敵する計算に基づいている。

第二に、ショパン猪狩氏が本職のジャズマン出身であった点だ。彼の吹く笛のピッチの揺らし方や、蛇が登場する直前のコンマ数秒の「タメ」には、ジャズのスウィング理論がそのまま応用されていた。千寿まり子氏が目視できない状況下で的確に蛇を動かせたのは、夫が発する音のグルーヴ感に確固たるリズムの基準が存在していたからにほかならない。

森 瞳
著者

森 瞳

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