油屋に迷い込んだ異様な姿の「腐れ神」。全身に刺さった不法投棄の自転車や生活ごみを千尋たちが引き抜いたことで、本来の清らかな「河の神」へと戻るシーンは、今見返しても息をのむ美しさだ。去り際に神が手渡したのが、あの団子である。
決して美味しそうとは言えない緑色の丸薬。人間の投げ捨てたヘドロと向き合い続けた河の神が、長年にわたって蓄積した薬草の滋養そのものだと言えるだろう。自然が人間の身勝手さによって傷つき、それを癒やした人間へと返された「大自然の回復力」。そこには、環境破壊と再生というジブリ作品に一貫するテーマが、一粒の団子に凝縮されている。