現実の犯罪報道とは別に、純粋な作品論として「ポケモンとヤクザ」が語られる文脈も存在します。初代『ポケットモンスター 赤・緑』から登場する悪の組織「ロケット団」とそのボスであるサカキの元ネタに関する考察です。
サカキは表向きはトキワジムのジムリーダーでありながら、裏では密輸、ポケモンの違法売買、巨大企業「シルフカンパニー」の武力占拠を行うマフィアの首領として描かれています。アジトがタマムシシティの「ゲームコーナー(カジノ)」の地下にある点や、スーツを着こなして私設軍隊を率いる佇まいは、昭和の任侠映画やイタリアンマフィアの組織像を色濃く反映したオマージュといえます。
こうした完成度の高い悪役描写がサブカルチャー界隈で長年愛されてきたところに、現実の「ポケカ強盗・裏社会ニュース」が重なったことで、「ロケット団が現実世界に出現した」と比喩的に語られるケースが増加しました。虚構の魅力的な悪役像と、現実の卑劣な犯罪行為が重なり合って語られる点も、このトピックがネット上で話題になり続ける一因です。