家族にとって最も気がかりなのが「この先どうなってしまうのか」「余命はどれくらいなのか」という点です。結論から言えば、嗜銀顆粒性認知症の進行スピードは他の変性認知症と比べて非常に緩やかです。
アルツハイマー病のように数年で寝たきりや重度の意思疎通困難に陥るケースは少なく、発症から10年〜15年以上にわたり自立度の高い生活を維持する患者も珍しくありません。病気そのものが直接の死因となることは稀で、予後(余命)は認知症の進行よりも、心疾患や肺炎といった高齢者特有の全身疾患・合併症に左右されます。
「緩やかにしか進まない」という特徴は希望である反面、介護者にとっては「怒りっぽさや気難しさに長期間付き合わなければならない」という精神的負担を意味します。だからこそ、病気の特性を前提とした長期戦の構えが求められます。