耳鼻咽喉科の現場において、鼻うがいは単なる民間療法ではなく標準的な保存療法の一環として確固たる地位を築いています。医師が強く推奨する背景には、鼻粘膜に備わる「繊毛(せんもう)運動」の保護があります。
鼻の粘膜表面には無数の微細な毛が生えており、ベルトコンベアのように異物を体外へ排出する防御システムを持っています。しかし、乾燥や炎症、冷気によってこの繊毛運動が弱まると、ウイルスや細菌が粘膜に定着してしまいます。
鼻うがいで粘膜の湿度を保ち汚れを一掃することは、繊毛の働きを活性化させ、風邪やインフルエンザなどのウイルス感染リスクを大幅に低下させるという最新エビデンスが報告されています。また、鼻水が喉へ垂れ落ちて不快な咳や痰を引き起こす「後鼻漏(こうびろう)」の改善に対しても、粘膜の洗浄と清浄化が極めて有効な手段となります。